統計力学

統計力学のおすすめ参考書を紹介します。たくみとやすの専門分野です。

統計力学I 田崎晴明著
この本は量子力学の準備から始まる。「えっ!量子力学は嫌いだ!」という声が聞こえてきそうだが、統計力学は量子論との相性がすこぶる良い。この本を読めばそのことが明確に理解できるはずである。マクロな物理学の深い世界を教えてくれる最高の良書。第1章は読み物としても最高。

統計力学II 田崎晴明著
第二巻から量子統計力学の内容が本格的に始動する。他にも、確率モデルの等価性や相転移と臨界現象の話など、いわゆる「痒いところに手が届く」内容が豊富に書かれている。そのどれもが恐ろしく深い内容であり、「痒いところがえぐれる」という表現の方が適切かもしれない。

非平衡統計力学: ゆらぎの熱力学から情報熱力学まで 沙川貴大著
「ゆらぎの定理」などを含む現代的な非平衡統計力学の教科書。これを日本語で読める今の学生がズルい(僕は号泣しながら英語の論文で勉強しました)。特に情報と熱力学を融合させた分野である「情報熱力学」についても解説があることが貴重で、著者はその分野を作った本人。たくみの指導教員でもあり、実はたくみが出した論文の内容も含まれている。